8月15日@Vermont

10:00(記憶あいまい) 起床

起きたときに自分がどこにいるのかよくわからなかった。だんだんと昨日の記憶と、今の状況がひとつにつながっていく。
お゛〜、身体のあちらこちらがキシキシと痛む。車の座り疲れか、歩き疲れか、ライブ疲れか、なんだかもうよくわからない。アメリカに来てから一体何日経過したのかも。
外に出るとすでにMINAWAさんが起きている。「おはよ〜です〜」。


MINAWAさん達の車?だと思う


旦那と、とりあえず水場へ。顔と手足を洗う。さっぱり。前に手を洗ったのはいつだろうと考えるがわからない。
着替えをしてテントを離れる。 今日の行動予定を決める。パーキングロットをうろうろ。13時にステージエリアが開くので、ビアガーデンで1杯飲んでテントへ戻り、ライブ用の身支度に仕様変更をしてステージエリアへ向かう。
今日は、エリアマップを片手に、昨日歩かなかった方へ行ってみた。こちらは食べ物が中心のようだ。なにやらいい香りがしてきた。インド系の店で、サモサとサンドイッチのようなものを購入。あつあつ、カリカリ、ほくほくでうまい。そして、定番のレモネード。なぜかあちこちでレモネードが売っているのだけれど、これが超うまい。さっぱりしつつもほんのり甘い。


何かしら楽器を演奏しているこんな姿も多く見かけた


「おーい」と日本語で声をかけられる。ふとみると、静岡のつれども。こんな広い中で偶然で2回も会うなんて。くされ縁か、やっぱり。彼らはテントがこのすぐ近くだそうだ。そして、13日からここに入っているので、もうすでに見飽きたと言っていた。全くうらやましい。空港を出たのは、3時間くらいしか差がなかったのに。彼らと、ラストショウの後に椰子の木で会おうと約束をしてわかれた。
しばらくいろいろと見てまわる。店の全くない通りを歩いていると、車にTシャツを広げている人がいた。一応販売しているらしい。ハンプトンの追加ショウのTシャツ。かなり間に合わせな感じで作られていたが、これはこれでなかなかいいと旦那購入。


この、速攻で作った感が旦那のお気に入り


いつぶりかわからないが、ちょっとトイレに行きたくなり、近くにあった仮設トイレへ。トイレは10くらい並んでいて、人は誰も並んでいない。ドアまでの足場は、田植え直前の田んぼのよう。意味のないつま先立ちで、なんとかドアの前へたどりつく。ドアを開ける。が、閉める。隣へ。ドアを開ける。が、閉める。う〜ん、ほんとうにここで用を足さなくてはいけないのか。臭いはもちろんだが、そんなことは問題ではない。何がどうなってるんだか…。言葉を失う。なんだか間違っているけれど、筆舌尽くしがたいと表現したい。
ちなみに、当たり前なんだけど、洋式の仮設トイレに驚く。そうだよな。当然洋式なんだよな…って、もうどこが座るところかわからないんだよね…。
おとといの雨と、昨日の混乱で、汲み取りの車も入れないのだろう。
ここで用を足すしかなさそうだし、覚悟を決めて中へ。紙はちゃんと持っていた。結局、洋式を強引に和式風に使用。なんとかなる。
しかし、どうすりゃあこんなことになるんだかというすさまじい光景だった。目に焼きつけたく無い光景。
気をとり直し、またフラフラ散策。

なにやらひとだかり。隙間から覗いてみると、メイクをした4人ほどの女の人が歌い踊っている。店のディスプレイと思われるところに登って踊ったりして、ミュージカル風な演出。おもしろいので、そのまま最後まで見た。拍手喝采。




ショウの後は、店のお菓子を配ってまわっていた。なぜか旦那がゲット。真空パックのようになっている。マンモスカフェという店だとわかった。たしかに、店の裏側がマンモスだった。


とても食えそうにないお菓子とマンモス

ここはちょうど、会場の中心のエリア。オフィシャルな店がサークル状に並んでいる。端から順番に見ていく。絵画あり、木製パズルあり、洋服あり。ベビー服の店があったので、友だちの子どもにお土産を選ぶ。テラピンの踊る淡いグリーンのタイダイで染められたロンパースを選択。
Relixのお店では、フリーペーパーを配付していた。ちょうど新しいペーパーの帯を外したところ。店の人が手を離したとたんに、その山が崩れそうになり、とっさに旦那が手を出してキャッチ。店の人たちから拍手をもらい、「これもやるよ」とRelixのライターをくれた。せっかくなので、Phishが表紙のRelixも購入。もちろんフリーぺ−パーもいただいた。
洋服を見ていると「まゆさん?」と声をかけられた。会ったことのない女の子。「さなぶです〜」と彼女。あーっ、マイアミで会えたらいいねと言っていて、結局会えなかったさなぶさんだ。いや〜偶然だわ。こうしてコベントリーで会えて感激。


会えてよかった。


まずは、昨日の道中をお互いに報告。さなぶさんたちもハイウェイに車を捨てた組だった。どうもけっこう近い場所で渋滞にはまっていたらしい。しかし、明日朝の飛行機で帰国するので、今晩のショウが終わり次第空港を目指すという。そのために、今友だちがハイウェイに車を取りに戻っているという話だった。うまくいくのだろうか。さなぶさんたちは、ステージエリアの場所取りをするというのでそこで別れた。
それからPost Officeへ向かう。私は、日本にいたときから、ここに来ることを決めていた。オフィシャルサイトによると、ここでオリジナルのPostCardが販売され、それを発送することができると紹介されていたのだ。この場に来れなかった友だちに、ここからハガキを出すつもりで、住所も控えてきた。が、Post Officeといっても、切手を扱っているわけではなかった。販売されているPostCardに国内便用の切手が貼られていた。「エアメールは出せないか?」と尋ねたが「切手代が足りないから、ここからは出さない方がいい」と言われた。やっぱり、空港で切手を購入してくるべきだったと悔やむが仕方がない。PostCardを何枚か購入した。
オフィシャルグッズを覗く。お土産も含め、何枚か選ぶが、とにかく混んでいて全く列が前に進まない。旦那が、後でステージエリアのショップで買うことにしよう」と言う。たしかに、ここでまっている時間が無駄だ。


まだまだ泥の場所が多く、こんなに広いスペースが無駄に。


昨日Jantaさんから聞いていた、ダウンロードのできる場所もここにあった。時間がないので外から眺めたのみ。
もう13時を回っていたので、ステージエリアに行ってみた。しかし、まだゲートは閉まっていて、早くから並んでいる人たちが、まだその場で待っていた。
旦那と、まだ開いていないなら、テントに引き返し、荷造りをして出直そうという話にまとまる。来たところとは別のパーキングロットを見てまわり、いくつかTシャツも購入。 14時過ぎにテントに到着。ぺットボトルに水を入れ、ヤッケとフリースを持つ。そして、何枚かのゴミ袋。100均で購入したエアクッション。不要のものはみんなテントに置いていき、できるだけ身軽にしていく。トイレットペーパーをグルグルと巻取り、ポケットにつっこむ。
いざ、ラストショウへ出発。
ふたたび、ステージエリアへ着くと、もうゲートが開いてしばらくたったようで、そこに人込みはなく、ここで待っていた人たちは、びっしりとレール前に陣取っていた。


ステージエリアへの通路。ウッドチップで歩きやすくなっていた。


私たちは、オフィシャルショップで何枚かTシャツを購入。そこで日本人の男性と会う。旦那が声をかける。「静岡からですか」と言われ「そうです」と旦那が答えると、「いえ、違います。僕が静岡からです」と彼。「静岡からです」と言ったのを聞き違えていた。これまた偶然。しかも、共通の友人がいることがわかった。世界は狭い。記念に一緒に写真を撮って「よいショウを」と別れた。
そして私たちは、気になっていたビアガーデンへと行ってみた。IDチェックをしている。2人ともパスポートを見せて通過。オリジナルのカップが欲しくてこうしてビールを飲みに入ったのだ。ビールはいくつか種類が選べるようになっていた。面倒なのでバドワイザーを2つ注文。


ナイスなデザインのカップ。


それを持ってビアガーデンから出ようとしたら、飲み干してからでないと、出てはいけないと言われる。もう、ここまで来て急ぐこともないので、椅子に腰掛けてゆっくりとビールとこの雰囲気を味わう。本当に今夜でPHISHが解散してしまうのだろうか?ここでこうしているのに、まだ信じられない。
ビールを空けてカップを丁寧にバッグにしまい、ビアガーデンを後にする。もう16時に近いが、以外とステージ前は混雑していなかった。昨日と同じあたりの場所を目指す。


レール付近のほかは意外と空いている。



テーパーズエリアにそびえるマイク


昨日の泥は、ある程度水がはけ、固まっているところもあり、少しましになっていた。それでも、ひどいところは、かえって粘着度がまして、まるで取り餅のように、あちらこちらで人々の足をがっちりと掴んでいた。昨日よりも少し前で、少しセンターよりの場所を確保。そこは、泥の中の小島のような場所で、四方は泥の海だが、一部だけ、地盤が固く残っていたところ。2人座るのでせいいっぱいだ。ここなら、ある意味、無謀なヤツらが来るまでは回りがあいているだろう。そして、都合のよいことに、少しだけ高くなっているので、最終的に回りが人でいっぱいになってもPHISHのメンバーを見ることはできそうだ。


けっこう見やすそうな場所をキープ

場所も決まったことだし、腹ごしらえ。旦那が場所とりをして、私が買い物へ行った。ピザと炒飯、旦那のリクエストのレモネード。私はジャパニーズティーというのを買ってみたら、甘い紅茶でびっくりした。いったいどのあたりがどんな風にジャパニーズなのか?期待はしていなかったから、あまり考えないことにした。残念なのは、炒飯とあわないこと。

それらをかかえて、陣取った場所を探すが、さっきよりも人が増えていてわからなくなった。ウロウロと捜しまわる。魚の風船を持った人が手を振っている。あ、かごたさん。なかなか目立つ魚を宙に漂わせている。「いいもの持ってますね〜」と言うと、「目印に持ってきたんですけど、低くしか飛ばなくて、あんまり目印にならなくて〜」と笑う。そして、私の手にしているものを見て「それ、もしかしてあの店の炒飯?けっこう微妙な味でしたよ…。」そんなぁ。食べる前にコクなことをいうお方だわ。改めて周りを見回すと、お、だいたいの場所がわかった。かごたさんと別れ、自分の場所を目指す。途中、泥に足を取られてよろけるが、持ち直した。回りの人から拍手される。

やっと旦那のところまで戻った。すでに無謀なヤツらに周りを囲まれていた。無謀なヤツらは当然裸足で、泥を踏み固めながら自分の陣地を作っている。子どもの泥遊び状態だ。私たちは、じっと座って飯を食らう。かごたさんの言うととおりだった…。
通りかかった女の子に、「靴がきれいだ」と褒められた。確かに、泥にはまらないようにかなり気をつけていたから、この辺りにいる人達の中ではダントツにきれいだと自分でも思う。ちょっと得意げに「さんきゅ〜」と答えた。明日、歩いて帰ることを思うと、この唯一の靴を汚すわけにはいかないのだ。


これでもきれい。足首は日焼け。


ひととおり食べ終えたところで、私たちも、敷物(静岡市ごみ袋)とエアクッションを撤収して立つ。エアクッションはzepさんのBBSで持って行くとよいものと教えてもらって持ってきたのだけれど、たしかにとてもよかった。じかに地面に坐るよりもずっと楽だった。
PHISHのメンバ−が控え室からステージに歩いてくる姿が肉眼で見えた。私の周りから完成があがり、スクリーンにメンバーが写し出されると怒号のような歓声が上がった。いよいよショウが始まる。